孤独死した人に30の質問
≪遺体には、ほとんど苦しんだような形跡が無い。座ったまま俯いて、眠っているかのように死んでいる。静かで、けれど、どこか美しくもある≫
29、あなたの短所は?
返答なし。
≪遺体からは、独特のすえたにおいが少し出始めている≫
30、30問お疲れ様でした。最後に一言お願いします。(* ̄▽ ̄*)
返答なし。
≪彼には身寄りが全く無い。家賃も郵便局から引き落としだから、数ヶ月は誰にも発見されることは無いのかもしれない。毎日彼はここに座って、日がな一日何を考えていたのだろうか?それはもしかしたら、一言では言い表せない、茫漠たる、巨大な、人生への諦観のようなものだったのかもしれない。部屋の窓からは、夕暮れの風が枯れ木を揺らしているのが見える。もうじき、夜になるだろう。≫
31、あなたはいったい誰なんですか?
返答なし。
≪返答なし≫
作品名:孤独死した人に30の質問 作家名:追試