詩集
『日常』
お気に入りの服を着て お気に入りの靴はいて
ポケットの中身からにして 鞄も何も持たずに
さて今日はどこへ行こう
お金はないから街には行かない
使える足も無いから遠出は出来ない
さぁ 家の周りを探索だ
今まで見えなかったものが見えてくるかもしれないよ
何気なく通り過ぎていた公園や 振り返りもせず下る坂道
覘いてごらん 振り返ってごらん
いつもと違う角度から見れば また違った表情が見えてくる
次の角には何が待つ 通り過ぎてた路地には何がある
以前ここには何があったのだろう
取り壊した跡地に何があったか 君はおぼえてるかい
見ているようで何も見てない 知ってるようで何も知らない
楽しみは意外と近くにあるものさ 大切な物が傍らに眠っているようにね
見たこともない青い鳥を追いかけるより
公園のベンチで鳩をからかうほうが よっぽど楽しいかもよ