詩集
『手紙』
普段あまり使うことのない便箋
仕舞い込んだ引き出しから取り出して
綴る言葉は誰のため
何のため
手紙に書きます
伝えられずに沈んだ想いを
手紙に書きます
遠い昔の過ぎ去った日々を
手紙に書きます
イマの私の秘めた心を
綴る言葉に想いをこめる
こめた想いが文字から溢れ
文字を読めなくさせてゆく
綴る言葉に過去を乗せる
この背に負った重みを筆に
紙に深く刻み込む
綴る言葉に心を重ねる
表に出さず深く沈めて
閉じた心に光を当てる
綴り刻んだその言葉
紙に預けたその想い
手紙を焼きます
あなたのもとに 届けるために
手紙を捨てます
背負った荷物 確かめるために
手紙を出します
未来の私に 伝えるために