偽善者賛歌18「嫌悪感」
ますます偽善に嫌悪感を示して、その結果倒れていく。
彼は結婚を望まなかった。だけど、彼とのつながりがほしい。つながりが、強固なつながりが、ほしい。
…尽くしてそいつが見返りをしてこない、そういう相手にこそ尽くすべきだ…いわば親に対する子供…
「…で、俺の子供になる、と」
「はい」
「はいったってお前、俺とたったの6歳差だろ?」
「それでも年下です」
「…」
「…親孝行する相手がほしいだけです」
「あのなあ…まあ、俺に義父になれという時点で判っているから聞かないが」
「帰る場所がほしいんです」
「こんなところ実家にするのもどうかとは思うが…まあ、いいか」
彼は苦笑しつつも喜んでいたようだった。
「尽くす相手ができるってことだしな。俺のような奴にとってありがてえこった」
作品名:偽善者賛歌18「嫌悪感」 作家名:フレンドボーイ42