詩・海シリーズ
『海道(うみのみち)』
空と海が交わる
そこに光が道を作る
世界の始まりと 世界の終わりに
一筋の道が現れる
揺れる波にその姿を頼りなく任せ
届きそうで届かない 一筋の道
共にその道を辿ろう と
冗談交じりに
けれど優しい声で語ったあなたは
いま 誰のもとにいるのか
何処か違う海辺で
誰か知らない女性に
同じ言葉を囁いているのだろうか
どのみち 私には関わりないこと
あなたは今 ここにはいない
私にはそれが全て
あなたが私に残した
目に見える唯一のモノ
それに全てを込めて
あなたへの想い あなたとの思い出
あなたがくれた想いの残像
全てを込めて光の道へ
きっと 何処か遠い所へ運んでくれるから