小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

「お前たちは不完全ながら、人のかたちを持っている。わざわざカメラを人の目と同じ場所につけたよ、顔があるかないかはとても大事なことだからね。しかもお前たちはいつでも瞳を模したものから、涙に似た「これ」を出せるんだ。人間であれば感情の昂りと同期しているが、あえてそうしなかった。
どんな場面に必要だろうか？レンズの洗浄、冷却液、それともう一つあるんだ。
お前たちの「これ」は、人の涙に反応して出てくる。目の前にいる人間が一滴落としたなら、「これ」も一滴。頬をつたうほど流したなら、「これ」も流れ出てくる。

お前たちの力ではこの機能に整合性を見出すことはできないだろうね。しかし私には必要になるとわかる。この確信を得るのに必要なのが、私には作れなかった心のプログラムだ。その機能があればたとえ私がいなくなっても、お前たちを必要とする人間がなんとかしてくれる。」

老齢の開発者は二体のロボットに語りかけた。これを最後に、彼はロボット作りから退く。

「それじゃ、いってらっしゃい。あんまり怪我するなよ。」

――こちらの商品です、護衛用ですので意図的に人間とは異なる外観を持たせております、よろしいですか？所持の許可と登録については詳しい資料をお渡しします。名前は設定されますか？こちらにいくつか候補もございます。はい、ではこちらが…

つづかない