yesterdayをもう一度。
うっすら雪の積もった道を歩きながら、ふ、と、そう思う。
休みだっていうのに、結局いつもと同じ時間に起きちゃって(流石睡眠障害)、眠れなくてモゾモゾしてたら、「起きちゃった?」ってベッドの中から掠れた声。うん、って言うかわりに頷いたら、伸びてきた腕に腰ごと引き寄せられて、ぬくぬくあったかい布団の中でギュッて抱きしめられた。
ああホント、こんなに鮮明に覚えているのに、どうして昨日のことなんだろう。
冷たい風とともに再び落ちてきた雪。
道も家も山も真っ白に染まった朝を歩きながら、手を繋いで眠った昨日を思い出した。
あの温かさも、煙草の匂いのするキスも、私だけのモノにはならなくて。
7時30分どんより雲の朝。
今頃あなた、大好きな家族といるんだね。
ねえ、少しは思い出す?
昨日の今頃、あたしと2人でいたことを。
(yesterdayをもう一度。)
作品名:yesterdayをもう一度。 作家名:幸志