いつかの結末
敵をすべて倒したと油断していた俺をかばって。
死 ん だ
死んでもなお美しい黒髪が彼を包み込むように散らばっていて
生きているときと同じ俺の大好きな顔で---
ひとつだけ違うのは大量の紅 紅 紅 が横たわっている彼を染めていることだけだった
「ユウ・・・起きてよ。」
彼は起きない。
わかってた。
普段の彼ならあれぐらいの傷、すぐに回復してしまうこと。
わかってた。
さっき俺をかばったせいで尽きかけていた彼の命の残量のおわりがきたこと。
でも
でも 信じたくなかった。
目を開けて、
いつのもように
「なんて顔してんだ、馬鹿ウサギ。」って言ってほしかった。
けれど、彼はもう起きない。
初めて・・・・初めて心から愛した人なのに。
思いを告げたとき、真っ赤になりながらうなずいてくれた可愛い人。
嫌だって口では言いながら、握った手を振り払おうとしなかった優しい人。
俺しか知らない顔がたくさんあった
その表情を、いつまでも傍で見ていたいから
守りたかった人なのに。
命をかけて彼だけは守りたかったのに。
現実は、「俺」をかばって死んだしまった。
やさしい 君---
(こうなることが分かっていたならと思うのに。)
(現実は、悪い方にへと進んでしまうのです )
- いつかの結末 -
end?