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店員な僕とお客なあなた。4

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「おつかれさまでしたー」


バイトが終わり着替えてあいさつをし、外に出た雅。
いつもなら一人で帰る予定。
そしてこの日もそのまままっすぐ1人で家に帰る予定だった。が




外には台風が待ち構えていた。





「雅くんやっほー♪」

「!?」

台風の正体は和喜だった。


「バイト終わったー?」


「え!? ちょ  ええ!?」


どうしてこの人がいるの?外で待ってたの?ずっと?なんで?

そんな疑問ばかりが頭をよぎる。
そしてようやく気持ちが落ち着き、

「どうして ここに?」

と聞けることができた。


「雅君を待ってたんだよ」

「僕を!?どうして!?」

しまった!ため口を聞いてしまった!と思い手で口を押える。


「アレ?気づいてない?」

「?」

「まぁ 2度しか会ってないし、あたりまえかぁー」


「あの・・・話が見えないんですけど・・・」

「ううん、こっちの話♪気にすんな!」


和喜はうーんと考え、雅に問う。

「このあと空いてる?」


「少しなら…」

ちょっと話さない?と言い、近くにあるベンチを指さす。

「はぁ。良いですけど…」




************************************




「なんか飲むー?」

「ぇ 大丈夫ですっ」

「遠慮すんな!ココアで良いか?」

「ぇ ぁ ハイ…」



ガコンという音がしたのを確認して和喜は自動販売機からココアを2本取り出した。



それを思わず雅は見つめてしまっていた。
その視線に気づいた和喜は

「あ~、俺コーヒーとか無理でさぁ。昔から甘いものが好きだったんだ。」

と照れ臭そうに言った。
その顔になぜか安心感がわく。
さっきまで不安でいっぱいだったはずなのに。


(いったいこの人はなんなの?)


はい、と雅に渡されたココアはほどよい熱さで寒かった手を温めてくれた。

ココアを飲んでいると、和喜が話を切り出した。


「いきなり ごめんなぁ」

「え?」

「初対面なのに話しかけたり、今日だっていきなり連れて来たりさぁ」

「ぃゃ、別に 気にしてませんよ?」

「そう?よかったぁ。」

そう言いまたお店で見せた暖かく柔らかいにっこりとした笑顔を見せた。

「初めて会ったときさぁ。俺ケーキ買ってたじゃん?」

その時のことを思い出してみた。美味しそうなケーキを2つほど買ったいたのを思い出した。

「俺のところさ、家が金持ちなんだけど厳しくて。親父とかにいっつも『男がそんな甘ったるいもの食ってるんじゃない!』って言われててなかなか食えないんだ。」

(意外だ…。)

そう思った。いまどきそんな家があるなんて。


「そんなとき、お前が俺の買ったケーキ見て、おいしそうって顔したのを見たんだ。」

雅は顔が赤くなったのを感じた。



恥ずかしい。そんな気持ちでいっぱいだった。


「そんときの顔がかわいくてしょうがなくてさ。」

「ぇ?」

「こういうの、ひとめぼれ・・・・っていうんだろうなぁって感じたんだ。」


(僕に?)

(というか 告白…?)


雅は驚いて声が出ない。まさか自分が男から告白されるなんて。



「だから・・・・・・!」


(ぇええ告白されるの?まだ、心の準備が・・・って、そうじゃなくて!!)


「だから !!!」


(なんて断ったらいいんだろうか!!)








「だからメアド教えてください!」











「ぇ?」