超新星
しんでゆく思考回路がやがて星に埋めつくされてしまうのは何時ものことだが、
こうも曖昧なのは初めてのことである。自分の中にある記憶の映像を再生したのか、
それとも暗喩、感覚的なものだろうか。
ぽっかりと、霧の中に浮かぶ意識で散歩をするように理由を探しに行く。
瞬き燃え尽きる数多の星が存在を主張しだして、あ、超新星。途方もない距離億光年。
自分など何処にもいない。ここにいて、すべてにあって、どこにもない。
星をみつめる。道しるべでもなく後押しでもなくただ、そこにあるだけ。
遠くで輝き手に届かないからこその星である。隣にさえない。遥か昔の残像を追っている。
酷く寂寞としたすきま風。存在が強すぎ目を閉ざす、その裏側にも。
同時にまたひとつ思考回路が焼き切れていく。
何処にでもあるだろう。何時でもあるのだろう。何もかもが蝋燭の火より儚く短く消えてくるり回る。
そうして認識できないほどの長い時間であり続ける。いとおしい。
結局それが何か理解できなくともいきつく 先は同じなのだ。やがて、星をみる。