昔話ではない過去の話で今に続き
止め処なく湧き出溢れ出す汚い感情と残像の塊、もうそこらじゅう錆びている。お前は誰だ私は僕は誰だ。
吐き出される残り滓を拾い上げて名前を付けていくと少しは落ち着く。嗚呼これは何というものだ自分にはまだ分からぬようだ。
煩い残響大切な言葉はひとつ残らず焼け落ちた。いや無理に溶かしてしまったのか。鉄の臭いが鼻についてとれない。生まれる前から身体にしみついているのだ。
何やらわけの分からぬものを役立たずな映像や綺麗に文字で表せる気持ちと飲み下す、嘘つけ意味なし!誰も知らない理解もない。茶色く煤けた紙を漁って燃やそう出来るなら。多分抱き締めてしまうだろう、自分は何処だ?身体から鉄を垂れ流す今は本当に狂狂って廻る。
酷い海馬に誰か火を放ってくれないか、カミサマ?
不祥事ごと消してしまえばいいのだ簡単だろう。
疲れたことだ、眠ろうか。
作品名:昔話ではない過去の話で今に続き 作家名:藤中 桐夜