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店員な僕とお客なあなた。

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「いらっしゃいませー」



お客が来て、商品を買って、お店からでる。


そんな光景を毎日見てきた。
それが当たり前だった。



ここはどこにでもある普通のコンビニ。



僕は半年前からここでバイトをしています。



********************************************************************




彼の名前は雅(みやび)で、家はごく普通の家。
家族も何か特別な職業かというとそうでもなく ごく一般的な家族。
来年から高2で 友達関係もなかなか良い感じ。
顔もそんなに悪くもなく普通の男子高生よりちょっと可愛いかもしれない。

そんな どこにでもいる高校生。

彼は半年前からバイトを始めた。
コンビニでのバイトで時給950円。
高校生になり、欲しいものが増えたので始めたバイト。
実は結構楽しかったりしていた。




「全部で680円になります」


前の客は1000円を出してきた。

「1000円お預かりします。320円のおつりです」

客はおつりを受け取ると 自分が買った商品を持ってさっさとでていった。

「ありがとうございましたー」


雅の列にいた最後の客が出ていくと 店長に
[雅君ー。そろそろ時間だからもういいよー」
と言われたので お言葉に甘えて終わらせてもらった。


時刻は 夜の10時前。


普通の女子高生なら1人で帰るのには危ない時間かもしれない。
生憎、雅は男なので、バイト時間も夜遅くまでにもしてもらっている。
ただ、あまり遅くしすぎると家族に怒られることも。

学校が終わり、放課後ゆっくり家に帰り、ごはんを食べ、
バイトに行き、帰ってきて風呂に入って寝る。
そしてまた朝が来る。
その繰り返し。
何も変わることなんてない。きっと。


(でも、そんな人生つまんないよなぁ)

と帰り際にふと思った。


「ただいまー」

「おかえり!兄ちゃん」
雅の妹の光(ひかり)が玄関までむかえにきてくれた。
光は中学2年生。

「ただいまー光」

兄弟仲も良く、喧嘩はあまりしない。
むしろ したほうが珍しいぐらい。


「おかえり 雅。どうする?おなかすいてる?」

母もむかえに来てくれていた。

「いや、なんか疲れたから今日はもう寝るよ」

「兄ちゃん風呂入りなよ!」

「わかってるよ!」





そんな彼のふつうに日常。良い家族。

それが毎日続くと言うと、実はそうでもなく、

思いがけないことが起ころうとしているのです。