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フレンドボーイ42
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novelistID. 608
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緑夢迅・語勢虚勢幻影投影

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 赤という字に燃えた。暴走族を結成するに当たってだからこそ紅炎弾奏と名付くわけである。
 …緑夢迅(みどりむ じん)という名前・というか名字が好きになれなかった。緑という感じは平和の象徴であると同時に自然の象徴でもある、いわゆる「弱い」漢字ではないか、と。いつまでもいつまでもなめられたくなくて彼は紅炎弾奏(コーエンダンソー)と付けたわけだから…。
 「相変わらずなのなおまえは」
 旧友の荒来に笑われた。
 「少なくとも表向きは広告代理店なんだけどな」
 「定職持ちかいいなそれは。って暴走族が仕事に就けるのか」
 「暴走族が仕事をやってはいけないというルールはない。適当に法人登録しておけばすんなりできるってもんだ。さすがに変な目で見られたくないから宗教法人にはしていないけどな(宗教法人には免税・減税処置がとられるのでふつうの法人よりもメリットがあるが、宗教であるといってしまうようなものではある)。でも副業で金貸しをやっている」
 「…トイチか」
 「残念だが初めてのご利用はトゴとトサンだけですよっての。まあ、ローンを持っていることを条件に認めるトイチもあるぞ」
 「…そうか」
 「おまえなんかアパートの大家さんに助けてもらっている状況じゃねえか。おまえもさっさと職見つけろよな…困ったらきてもいいぞ」
 「おまえに頭下げるのか…少し覚悟を決めておかねえとな」
 「なんかいやなのか」
 「少なくとも見栄っ張りは嫌いだからな」

 バレていた。
 というより、それはバレるか、と思い至った。
 結局、性格なんて隠しようがないのだから隠している場合じゃない。
 そう緑夢は少し肩を落として旧友の元を去った。