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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ダークネス-紅-

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「ベッドの下って定番だよね……あっ、箱見っけ」
 ベッドの下から引きずり出したダンボール箱は玉手箱のようであった。
 指輪やネックレスなどの装飾品や、複数の財布やケータイが乱雑に入れられていた。
 箱の中を覗き込んだ紅葉は顔をしかめた。
「全部……血が付いてる」
「まるで人を襲って強盗したみたいだね」
「たぶんそのようなものだと思う。つかさに言ってないことがあるのだけれど……」
「ひっどーいウチに隠し事ですかぁ?」
 冗談っぽくつかさは言うが、紅葉の顔は曇っている。
「隠し事ではなくて、あまり言いふらしてはいけないと思ったから言わなかったのだけれど、実はね……草薙さんのお母さんとお兄さんが、武田さんたち三人を殺したのか知れない」
「ウソ?」
 心の底から驚いたように、つかさは眼を丸くして口を開けた。
「だからわたしはそれが本当かどうか確かめたい」
「……紅葉、あんまり危ないことに首を突っ込んじゃダメだよ」
 もう遅い。紅葉はすでに雅の兄と思われる人物に襲われている。こちらがなにもしなくても、向こうから危険がやってくる可能性は大いにあった。
 けれど、紅葉は言う。
「心配しないで、危ないことなんてしないから」
 けれど、つかさは知っていた。だが、それを言うわけにはいかなかった。
 見詰め合う二人。その時間を邪魔するように、紅葉のケータイがスカートのポケットで震えた。
「もしもし?」
 通話に出た紅葉の顔が急に険しくなった。