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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ダークネス-紅-

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 雅が答えるまでには少し間があった。
「誰ですか?」
「昨日、草薙さんがからまれた三人のうちの二人の名前なのだけれど」
「こ、殺されたんですか……あの人たち」
 声を沈めながら雅は節目がちに顔を下に向けた。
「ウチからも質問あるんだけど?」
 つかさは言った。
「草薙早苗って知ってる?」
「し、知りません!」
 今度は即答だった。そして、つかさの隙をついて雅は玄関を閉めようとした。
「わたし忙しいので」
 玄関は言葉少なげに閉じられた。
 不可解に動揺する雅に紅葉は不信感を抱かずに入られなかった。
 ここに来た目的は武田朱美を探すついでだったのに、雅がなにかを知っているように思えてしまう。
「帰ろう、紅葉」
「早いってばつかさ」
 歩き出してしまったつかさの後を紅葉は慌てて追った。
 雅はドアスコープで二人が消えたのを見て、慌ててお兄ちゃんのいる部屋に向かった。
「お兄ちゃん、みんながわたしのことを疑ってるの!」
 闇に閉ざされた部屋の中で雅は脅えた。
 お兄ちゃんは太く逞しい声で雅を落ち着かせる。
「オレが守ってやるから心配するな」
 そう言って、分厚いカーテンを少しだけ開けて道路の様子を伺った。
 道路を歩いている紅葉とつかさの姿が見えた。
「紅葉かいい女だな……犯したくなるぜ」
 舐めるように紅葉を見ていると、つかさがこちらを振り向き、慌ててカーテンを閉めた。
「お兄ちゃん、やめて。雨宮さんはわたしに優しくしてくれた」
「もうあいつもオレのもんだ」
 低い笑い声が闇の中に響き渡った。