有りの儘の我儘を
ああ、そうなのか、と
幼い私が思い倦ねんでいたこと
人のせいにしては
誰も理解してくれないと
私は特別なのだと
何もわかっちゃいないと
そんな屁理屈を捲し立てて
けれどそれが屁理屈だと知っていながら
求めても手に入るわけがないのだと
自分はそれだけの人間なのだと
既に諦めていた あの頃
親友を切り捨ててまで得たものは
ただの罪悪感だけだった
今なら少し
分かることがある
決して本当の自分など
自分は見つけちゃいなかったって事を
誰にも理解し得ることはない
だって自分も知らなかったのだから
人に教えてもらって
初めて知る 自分の姿
私は今になって
漸く、鏡に写る自分を見据えた気がした。