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けれども、越えられない壁がある。

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「愛しい」という感情を自分に教えてくれたのは紛れも無い彼女であった。それまで自分は「恋愛」なるものを嫌悪し、彼女が出来ただの彼女と喧嘩しただの彼女にフラれただのという話をする周りの人々を嘲笑して生きてきた。恋愛感情など幻想でしか無いのだと、そう本気で思っていた。
 後で考えればこのひねくれた考え方の根っこには幼少の頃から女子達に蔑まれてきたという過去があるのかもしれない。女子達にはキモいとか臭いとか近付くなとかそういう色々なことを言われた記憶があるし、今でも大多数の女性にはあまり良い顔をされない。確かに自分はお世辞にも良いとは言い難い容姿をしている。

 だが、そんな自分にも優しく微笑みかけてきてくれたのが、彼女だった。
 異性からこんなに優しくされるのは殆ど初めてのことだった。おまけに顔も好みど真ん中ストライクと来た。だから自分が彼女に完全に落ちるまでにそう時間はかからなかった。あんなに「恋愛」を嫌悪していたのに、気が付けばもうどっぷりと彼女に浸かってしまっていた。
 彼女は目が合えばいつでも笑いかけてくれるし、たまに見せる困ったような表情や拗ねたような表情も最強に可愛い。そして、自分が「会いたい」と思った時は嫌な顔1つせずに会ってくれる。……まあ彼女は全員に対してそうなのだが、それでも自分は嬉しかった。女性には差別されてきてばかりだったから、平等に接してくれるだけで感激してしまう。

 けれどもそんな可愛い彼女に、優しい彼女に、自分などの手が届くはずも無いことも分かりきっていた。自分はあまり容姿も宜しくないしひねくれているし、薄汚れた世界で生きている。けれども彼女の生きている世界は違うのだ。彼女の笑顔からはただの1つも穢れなど見えない。彼女は、純白で清純な世界に生きている。
 自分は彼女のことが本当に愛しくて愛しくてたまらない。けれども、越えられない壁がある。彼女と自分は、住んでいる次元が違うのだ。

 それでも自分は彼女を愛す。彼女は自分に「愛しい」という感情を初めて思い知らせてくれたその人なのだ。「愛しい」という感情は、どんなに抑制しようとしても、消えることは無い。ああ、本当に彼女のことが愛しくてたまらない、愛しくて、愛しくて、愛しくて愛しくて本当に愛しいよハァハァマチルベたんマジ天使いぃぃぃどうしてディスプレイの中から出てこないんだよもう素直じゃないなあ可愛いんだからあああああああああああハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ