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フレンドボーイ42
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偽善者賛歌02「融解」

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十和田の閑静な町は蕨屋とは違う雰囲気を持つはずではあるが、そもそもこういう町たちは独特なのだろうか、にていて他の市町村とは非なるグループに属するムードを持つ。その町の女性・早乙女が今の悲歌にもっともよく合うガールフレンドだろう。
 「おい、タマ(=MDMA)食ったのか」
 「あったりまえでしょ~」
 「ったく、おまえ本気であぶねえぞ」
 「なによもークンロク(=説教)とか聞きあきたからマジで」
 「…」
 偽善者としての務めなのか否か、とかく卑猥で淫な、そして邪な女の世話をしなくてはならない、そんなことをしかし倉敷はなにも思わずやっていた。哀憐にあの日いわれてから、哀憐のようなロリータ系純情(とはいえどナボコフのロリータはひどい性格だった記憶があるが)の少女とはつき合えなくなったということを、少しばかり悔いていないとはいわないが、脳味噌フニャフニャ女じゃなくてもいいだろうがよ、というつっこみは入れたくなる。まあ、だからといって分かれるのも結構大変だろう。こういう奴はあんまりよろしくない組織(というか、タマを手に入れる時点ですでにおかしい、というしかないのだが)が関わっていて早々簡単ではない。とかく、早乙女小森は、引きこもりというほかない女だった。
 サツのガサ入れがあったらどうする気だよという感じがある。そもそもなぜこいつの面倒みなきゃいけないのか、というと、若い頃にバカに金を借りてしまった故であり、しかしさすがにヤーさんもこのような白い顔をした病弱男を三択(=マグロ漁船・トンネル工事・臓器売買)に追い込む、というのも気が引けたのか、二年間面倒を見ろというのであった…。まあ、あともう次の三月でおさらばである。そうすればこの女ともBye-byeとできるわけである。しかしながら、その間はむしろ面倒を見てやろうとした。融解した脳味噌の女を世話する自分に幾度と無く燃えた。廃人処理。良い響きだ。