少年と少女
少年は走ることが好きでした
毎日毎日
長いみちのりを走りました
今は昔、少女がいました
少女は歌うことが好きでした
毎日毎日
長い時間歌っていました
ある朝少年が走っていると
きれいな声で歌う少女をみつけました
少年は少女に
なにを歌っているのと尋ねました
少女は鳥の歌だと答えました
少年は
少女と
鳥の歌を
とても好きになりました
走ることよりもずっと
好きになりました
次の日も
また次の日も
少年は少女のところへ
走って行き
鳥の歌が聞こえるたびに
とても嬉しくなりました
少女もまた
毎日やってくる少年のことを
とても好きになりました
歌うことよりもずっと
好きになりました
次の日も
また次の日も
少女は少年のために歌いました