心と兵器と魔法と人 第一話
壊れかけた世界の中、一人の少女が冷凍カプセルの中から目を覚ました。
桃色の長い髪の毛に濃い桃色の目の１０歳位の少女だった。
「…ここ、何処？」
ボーっとする頭を何とか起して少女は呟いた。
その声は思ったよりも掠れて小さなものだった。
「おかあさん、何処…？」
少女はカプセルの中から起き出した。
いつも自分の傍に居てくれた優しい母がいなかった。
「探さなきゃ…お母さん、きっと迷子になってるんだ。」
少女はカプセルから出て埃の溜まった地に足を下ろした。
足で大地を踏みしめた瞬間、その埃が舞上り、そこに長年誰も足を踏み入れていない事が分かる。
しかし少女はそこまで頭は回らなかったようで、一目散に光が差す方へ走ろうとした。
「あ、あれ…キャッ!」
走り出そうとした瞬間、急に視界が揺れた。
少女が気がついた時には既に彼女は地面に倒れていた。
衝撃で埃が舞う。
「ッケホケホ！煙たい…どうして？歩けない…。」
舞い上がった煙と悔しさで涙目で少女は
作品名：心と兵器と魔法と人 第一話 作家名：もったり