小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ちょっと怖い小咄【一幕】

INDEX|10ページ/10ページ|

前のページ
 

小咄其の壱拾 『義理チョコ』


 とある会社のオフィス。休憩時のこと。


赤城 「やったー! 庶務課の桃井さんから、チョコもらったぜッ」

青山 「へん、俺だってもらったぞ、しかも本命チョコ!」

黄島 「あれ? 俺もだ。本命ですよ~って。あの甘ったるい声で」

緑川 「ぼ、ぼく・・・"義理"だって、小さいの、もらった・・」

黒田 「私ももらったが、本命チョコ。どういうことだ?」

赤城 「うーん、俺も本命だぜ。ほらこれ。ラッピングに書いてある」

青山 「あの子もてるし八方美人だから、なあ」

黄島 「オレのが本命。お前らのは全部義理チョコなんだ」

赤城 「どれどれ、あ、青山のやつ、義理って文字を修正して本命って書いてある
  じゃん」

青山 「黄島のチョコ、お手製って書いてあるけど、どう見ても明○マーブルチョコ
  だよな」

黒田 「赤城のそれ、ベルギー産ってあるけど、多分沖縄黒糖入りのだ」

黄島 「ひょいパク。黒田さん、これチョコ味の豆腐だ…」

全員 「賞味期限切れだ」
   「恵方巻きが入ってた」
   「…なんか薬くさく、ないか?」


 * * * * * 


赤城 「…結局全員もらったのは義理…じゃなくて、偽装かよ~本命なんていないの
  か~」

青木 「緑川、お前のチョコも義理なんだろ? やけに美味そうなんだけど」

緑川 「う、うん。"はい、これ。仕方ないからあげるんだから。絶対義理なんだか
  らね!"って言ってた。"別にあんたなんか好きじゃないんだから"って。顔、
  赤くして怒ってた・・・」

 ・
 ・
 ・

全員 「――――――それだ~~~!!」




          ・・・「ちょっと怖い小咄」 第一幕、これにておしまい。
作品名:ちょっと怖い小咄【一幕】 作家名:JIN