鍵を一つ拾って、それをそのままポケットに入れた。緑色のメッキが施された鍵。鍵の形から普通の家に入るものでもないし、南京錠のものでもない。ふと思いついて、僕は誰もいない場所でそれをおもむろに取り出して、空気に鍵穴があるように仮定してあけるふりをしてみた。…何も起こらない。こういうのは普通魔界のカギが開くもんだろうが、とか、ワープキーじゃないのかと考えたりしたが、まあそれが過ぎた願いであることはわかったので、そのまま閉まった。そのまま普通に学校に登校する。そしてもう一つの可能性をひらめいた。俺は手前にいたちょっと気になる女子に授業中ちょっと鍵を伸ばしてみる。次の瞬間、僕と彼女以外の時間が止まった。
戻す方法を知らないので、すごく気まずい。