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繋がったものは3

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「ピークほどではないけど、何個かは落ちる。見上げてたら、一個くらいは見えるやろ? 」

「ほんで、金、金、金て、三回唱えるんか? おまえも暇人やなあ。」

「なんやったら、愛、愛、愛でもええで? 」

「どあほっっ、今更いらんわっっ。もう事足り取るやんけっっ。これ以上は暑苦しいっちゅーんじゃっっ。」

 流れ星を見逃すのが惜しくて、どちらも顔は空に向けている。背中の張られているカイロが、ぽかぽかと発熱してきて、下からの寒さは遮っている。こういうことだけは、完璧な旦那だ。

「おまえ、カイロ張ったか? 」

「ああ、俺は生カイロあんねん。」

 毛布に包まっている俺を、抱き締めて旦那は楽しそうに笑っている。さらに、俺に自分の毛布も巻きつけてくるから、旦那も温かいらしい。

「何個見つける? 」

「最低三個は見とかなあかんやろ。それまでに寒さに負けるかもしれへんけど。」

「せやなあ・・・あ・・・・」

 しゅるりと、小さな流れ星が落ちてきた。たまに、人工衛星も動いているので、間違ったりするが、今のは流星だ。

「え? 流れた? ・・・・しもた、見逃した。おまえに愛を囁いとるとあかんわ。ちょお、気合いいれる。」

「上見てないんか? 」

「おまえの顔、見蕩れてた。」

 横を向いたら、旦那が俺を抱き締めて笑っていた。俺は、確かに生カイロやが、それでは意味があらへん。

「・・・あほがおる、あほが・・・・・やまだくーん、こいつの座布団、全部燃やしてください。」

「せっかく、ええこと言うたったのに・・・・やまだくーん、俺の嫁の座布団も燃やしてください。」

 やまだくんは、某演芸番組のお運びさんだ。座布団といえば、この人だ。燃やしたら温いんちゃうか? と、話していたら、また、すっと光が流れた。だが、これは人工衛星だ。定期的に、光の筋が流れていく。

「おまえ、あれやったらわかるやろ? 」

 横を向いている頭を上に向けたら、「おー」 と言う発見の声がする。

「あれ、違うやん。」

「ちゃんと見とけ。」

 誰もいないので、ふたりで大声で騒ぎつつ、星を眺めた。何個か見て、満足する頃に寒さに負けて、クルマに逃げ込んで移動した。移動した先は、24時間営業の健康ランドだ。

作品名:繋がったものは3 作家名:篠義