はっぴぃにゅういやぁ
帰り道
「お嬢さま、楽しそうでございましたな」
「ええ、カンカン。あなたはどうでした?」
「こんなものを、拾いました」
そう言って彼が差し出したのは、鮮やかな朱色をした小さな袋。
平べったくて、堅いですわ。何か入っているのかしら?
袋を開けようとした私の手を、カンカンがそっと押しとどめました。
「これは、こちらの国のお守りでございます。開けては効力が無くなりますぞ」
「まあ、お守り? 一体何の?」
「縁結び、でございます」
「まあ! すっかり忘れていましたわ!」
「お嬢さま、約束、でございますぞ!」
<了>
作品名:はっぴぃにゅういやぁ 作家名:damo