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変人の語り

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【変人の語り】


 世間一般的に私はかなりの変人らしい、とその男は大仰な身振り手振りを加えながら彼なりの蘊蓄を熱く語っていた。
 そして奇遇なことに私から見た私も変人なのだ! 人は時に人と異なっていると肯定的に解釈し自分を蔑むなと言うがね、私自身が変人で或る事をアイデンティティーの一部だと思っているのだよ。この人とは違うのだと云う優越感! 何をしても『変人だから』の一言で済まされる安心感! どうだね! 分かるかね!
 本人は僕にも分かっていると思っているようだが幸いにも僕は一般人であるので彼の話を聞くことはできても理解することはできない。そして一言言っておくと、彼が超が付く程の変人であることは間違いない。

 僕は着流しで語る彼を垂直に見ながら日本茶を口に含んだ。
(残念ながらその時点ですでに一般人であるとは言い難いが僕は心の声に気付かない振りをした)
作品名:変人の語り 作家名:幻夜