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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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あとがき

 これは昭和50年頃にワタクシのすんでいる街で実際にあった出来事だそうです。
 「だそう」という表現をするのは、知り合いから聞いた話だからです。
 一部の週刊誌にも載ったとか……。

 この話を聞かせてくれた時の知り合いは教育委員会に勤務していましたが、その当時市役所の福祉課にいました。
 こういう事件は警察だけの仕事かと思ったら、そうではなく、役所の福祉課にも連絡が入って、身元を調べるのに協力するのだそうです。(いや~~知りませんでした)

 その日、廃港に女性の腐乱死体が上がったという連絡が入り、警察官とともに福祉課の担当者も現場に駆けつけました。
 幸いなことに、知り合いはその日は出張で出かけていたので、別の人が対応したそうですが。

 死体は腐敗がひどくて、着ているものから女性だろうと判断する以外、性別も年齢もわからない状態だったようです。

 その後知り合いは、担当した人から『おまえは運がよかったよ。ひどかったよ。腐ってて臭くて、夢見が悪くなった』と、ことあるごとにいわれたそうです。

 話の中に死体と二人っきりになるシーンがありますが、そこは知り合い自身が実際に死体を引き上げに行ったとき、おまわりさんが怖がって人を呼んでくると行って逃げてしまい、しばらく死体と二人っきりになってしまったという体験を盛り込みました。

 今回、跡地参加作品を書くに当たって、いわゆる怖さ目的の心霊作品を創作するより、実際にあった不可思議な恐怖を書いてみたいと思い、この話を選びました。

 登場人物についてはワタクシの創作ですが、物語のアウトラインは実際に聞いたままです。



 








 
作品名: 作家名:せき あゆみ