クレイジー・レッド
紅…
黒に等しいぐらい深く暗い紅…
床にぶちまけられたその液体は
まるで花火の様に辺り一面に拡がり。
私の足元にまで流れてきた。
その中心には、
私の大好きだったあのヒト。
私に
「愛してる」
って言ってくれたあのヒト…
「一生一緒に居る」
って誓ってくれたあのヒト…
ドウシテ。
私を捨てたの。
ドウシテ…?
ずっと一緒に居るって誓ったのに…
だから、
貴方を殺した。
そして私も死ぬ。
こうすれば一生一緒に居れるね。
コウスレバ、ヨカッタンダ。
私、とっても嬉しいよ。
腹部に包丁の突き刺さっているその女は、
幸せそうに微笑みながら倒れていた。
濃く、黒い。狂った様な紅色は
愛が溢れ出る如く、
止めど無く流れ続ける…