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あるオペレーターの死

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【時間軸】 … 異次元暦42730年 1月23日
【位置】 … 758号世界 東京 警視庁通信指令センター



 その女性オペレーターは、爆発で吹き飛ばされて、床に倒れて
気絶していた。やがて彼女は、「痛い痛い!!!」と叫びながら、
意識を取り戻した。そして、彼女は今の状況をつかもうと、倒れた
まま見回した。
 彼女がいた通信指令センターは、爆発により地獄絵図と化してい
た……。 ある者は首から上を失って死んでおり、また、ある者は
火だるまになりながら走り回り、そして、ある者は全身血まみれの
状態で呆然と突っ立っていた……。
 とにかく立ち上がろうと、彼女は床に足をつこうとしたが、それ
はできなかった。なぜなら、彼女の足は、両方ともちぎれ飛んでい
たからだった。
「ウワァァァァァ!!!!!!」
両足が無いことに気づいた彼女は、電車によくいるキチガイのよう
な叫び声をあげた……。しかし、周りのまだ生きている人間は、彼
女に構う余裕は無かった。なぜかというと、

   パン!!!   パン!!!   パン!!!

 単調な銃声のリズムとともに、警察官の格好をした女性がまだ生
きている人間を撃っていたからだった……。その女性は微笑みなが
ら、助けを求めたり命乞いをする人間を、流れ作業のように撃ち殺
して言った……。そして、その女殺人鬼は、両足を失った彼女の元
へゆっくりと歩み寄ってきた。
 彼女は逃げようと、床を這って移動し始めた。両足のちぎれた部
分や小さな切傷の連続した大小の痛みにより、彼女は思うように移
動できなかった。彼女は泣きだしていた。
「ねぇ、どこ行くの?」
おそるおそる振り返ってみると、目の前にその女殺人鬼がいた……。
女殺人鬼の顔は笑っていた……。右手には返り血がついてるピスト
ルがあった。
「キャア!!!」
彼女はうつ伏せのまま悲鳴をあげるしかなかった。彼女の悲鳴を聞
いて、女殺人鬼はさらに笑った……。
 しかし、その時の彼女の目に、近くでミンチ肉になってる主任の
ピストルが落ちているのがうつった。彼女は瞬時に、右に転がって
仰向けになり、右手にピストルを手にした!

   パン!!!

 その銃声は、彼女が手にしたピストルによるものではなく、女殺
人鬼によるものだった……。
 彼女は薄れゆく視界の中で、近くに女殺人鬼のピストルから排出
された薬莢が跳ね飛んでいくのが見えた……。
 そして、彼女は死んだ。





 普通の作家なら、ここでこの女殺人鬼(佐世保中尉)を撃ち殺し
て、「チャンチャン♪」というオチになるだろうが、ぼく、やまさ
んはそうはいかない!

作品名:あるオペレーターの死 作家名:やまさん