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お題・薬
おーくんが歯ブラシが伸びる薬を開発してしまった。
それとはつまり歯ブラシの毛がすくすく成長する薬なのだ。
どうせ成長させんのなら髪にすればひと儲けできたのにと言ったらおーくんは嘆いた。
「そもそも俺はこんなもん作るつもりだったんじゃない」
と言う。
べそべそと情けない顔のおーくんはダサい。
…けども。
私は、じゃー何作るつもりだったの?と知っている答えの質問をする。
おーくんは無造作ヘアというか何もしてないヘアで首を振った。
「栞先輩をメロメロにする愛の妙薬のはずだったんだ…」
私はふーん馬鹿じゃん?と笑う。
そんなの作れるわけないじゃんと。
でもちょっと可哀想だから、でもエコに繋がる世紀の発明かもよと慰めてあげた。
するとおーくんは
「だよなー、やっぱ今時愛の妙薬はねーわな」
と溜め息をついた。
おーくん、と私は心の中で呟く。
ごめんね。
本当は成功してたのよ。
でもまさか本当に出来るなんて思えなくて、
ふざけて舐めてみたの。
そしたらまんまと
おーくんに、栞先輩をメロメロにしてほしくなくなっちゃって
慌てて適当に改造させたら
そんなになっちゃったの。
ごめんね、と
私はほくそえむ。