意識の混濁3
わたしたちは意識の奥深くで繋がっているから、忘れない限り一生離れない。
それは一見甘美なように見えるが、苦しいことも多いものだ。
なぜなら、会えない、触れられない。
その容姿や表情を、声を思い描くことはできても、見えない。会えない。
どんなに触れたくとも、身体ふたつぶんの温度は、感じられない。
だからこそわたしは、強く強く彼を思い浮かべる。
アルビノ体質特有の真っ白な髪を、白い肌を。
血液の透けた赤い瞳の、冷たくやさしい光を。
大きな手、暖かい腕で、ぎゅっと抱きとめられるのを夢見る。
決して叶わない夢の中へと、低いかすれ声が誘う。
「おやすみ」「My tender Queen」(俺のか弱い女王さま)
「おやすみなさい、ルーク」
あぁ、いつかどこかであなたに会いたい。
その時は、きっと抱きとめてください。