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如月 愛優亜
如月 愛優亜
novelistID. 18946
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幽霊の男の子と人間の女の子

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カレは、私を見ていったの。
「結婚しよう」って。
ホントはね、私はその人が大好きだから結婚したかったの。
でも、私はカレのプロポーズを断わってしまった。
それには、ちゃんとした理由があるの。
それはね、カレが人間じゃないってコト。
カレは自分が人間じゃないってコトに気がついていないの。

だって、この間まで人間だったんだから。

カレと私は、恋人だったの。
とても仲が良くて、ケンカをしてもすぐに仲直りしてたのよ。
私はカレと同棲していたの。
だから、毎日一緒だったわ。
カレは仕事をしていたから、カレがいない間、私はお家のコトをして過ごしていたわ。
私とカレは、周りから新婚みたいと言われていたの。
だから、いつかホントに結婚しようかって
カレに言われた時は、嬉しくて涙がとまらなかったわ。

でも、そんな幸せな日々は一本の電話によって壊されてしまった。
それは、カレが病院に運ばれたという電話だった。
私は、あわてて病院に行ったわ。
カレは大丈夫って信じて。
でも病院で見つけたカレは、すでに亡くなっていた。
カレは、車とぶつかって即死だったとお医者様に言われたの。

私はそれから、毎日泣いて過ごしたわ。
でもある日、泣いていても何も変わらないってコトに気がついたの。
だって、この世界から人がいなくなるのは日常茶飯事なんだから。
それから私は、両親の元に戻ったの。
だって、コレ以上カレとの思い出がつまっているお家に、いたくなかったから。
そして、1ヶ月くらいたったときだったの。
カレが私の前に現れたのは。
カレは、私の前にきて言ったの。
「会いたかったよ。なんで実家に帰っていたの?」って。
私はビックリして言葉も出なかったわ。
だって、1ヶ月以上前に亡くなったカレが目の前にいるんですもの。
カレは、亡くなったときとまったく同じ格好をしていたわ。
生きていた頃とかわりはなかったの。
ただ、一つを除いてね。
でも、それがカレが人間じゃないって教えてくれたの。

それは・・・影。

人間にも物にもできる影が、カレにはなかったの。
そして私は悟ったわ。
カレは幽霊になってしまったというコトを。
カレは、自分が死んだというコトに気がついていなかったの。
だから、私はなにも言わなかったわ。
それから私は、カレと一緒にカレと住んでいたお家に戻ったの。
あのお家は、売ったりしたくなかったから、カレが生きていた頃のままにしておいたのよ。

お家に帰る時、カレは私の手を握ろうとしたの。
私はビックリしたわ。
カレが自分が死んでいるコトに気づいてしまうんじゃないかって。
だって、幽霊は人間に触れられないでしょう?
でも、カレは私に触れるコトが出来たの。
だから私は、カレと手をつないで帰ったのよ。
カレと一緒にいるのは、とても久しぶりだからすごく嬉しかったわ。
手をつないでいるトキ、私はカレをとても愛おしいと思ったのよ。
この手を離したくないって、そう思ったの。
そしてまた、前みたいにカレと1つになりたいって。
そう思ってビックリしたわ。
私、前はそんなはしたないコト思ったりしたかしらって。
きっと、カレがいない寂しかった日々が私をかえてしまったのね。
でも、自分の気持ちをカレに打ち明けてみたの。
そうしたら、カレは笑って言ったわ。
僕も君と同じ気持ちだよって。
だから、お家について1番長くいたお部屋が、寝室だったとしてもおかしくないわよね?

次の日、私は重い腰を持ちあげてカレに料理をつくってあげたの。
カレは、料理をおいしそうに食べてくれてとても嬉しかったわ。
その後、2人でお買い物に行ったりごろごろしたりして
楽しい時間を過ごしたわ。

そして毎日、そんな感じで2人で過ごしたいたの。
気がついたら、3ヶ月もたっていておどろいたわ。
カレは、生きていた頃と何もかわりがなかったから
幽霊だというコトもいつ間にか忘れていたの。
でも、最愛のカレからプロポーズされて思い出したのよ。
カレが幽霊だってコトに・・・。
だから、私はカレのプロポーズを断わってしまったの。
でも、その瞬間すごく後悔したわ。
なんで、断わってしまったのって。
でも、やっぱり人間じゃないカレとは結婚したくなかったの。
だから、私はどうして結婚できないのかってきかれたトキ、いったの。

「あなたが人間ではないからよ。」って。

そうしたら、カレはとんでもない一言を私にいったの。

「人間じゃないからキミと結婚できるんだろう。」って。

私は、どういうコトか分からなくてカレにきいたの。カレは言ったわ。

「忘れたのかい?キミはもう死んでいるじゃないか。」と。

私が死んでいるってどういうコトなの?
私は頭が混乱してカレが何を言っているかわからなかった。
そんな私を見ながらカレは言い続けたわ。

「キミは僕と会ったトキ、もうすでに死んでいただろう。忘れてしまったのかい?
僕は、幽霊のキミに一目惚れして告白し、キミと付き合うコトになったんじゃないか。」と。

私はカレのその言葉をきいて、全てを思い出したわ。
私は、カレと出会う1ヶ月前に交通事故で死んでしまったの。
でも、この世に未練があって天国にいけなかったから、生きていたトキに大好きだった公園を歩いていたの。
そしてカレと会って、告白されて付き合ったんだったわ。
生きているトキに誰とも付き合ったコトがないのが未練だったから。
全部思い出した私は、カレにいったわ。

「全部、思い出したの。私もアナタも幽霊なら、断わる必要なんてドコにもなかったわ。だから・・・」

私がそういうとカレが・・・

「待って、その続きは僕がいうよ。 
僕と結婚しよう。」

「はい。」

私の言葉は、途中でカレにさえぎられてしまったけれど、カレが2度目のプロポーズしてくれたコトが嬉しくて、涙が止まらなかったの。
そして、私とカレは結婚したわ。
でも、結婚式はあげなかったの。
だから祝ってくれるのは満開の桜の木だけ。
花びらが2人をそっと包んでくれたのよ。
そして、コノ物語はコレでおしまい。
どう?少しは楽しめたかしら?
私とカレのお姫様。