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砂時計1

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夕日が私の部屋に飛び込んでくる。まぶしくて、ついカーテンを閉めてしまった。目の前には、ガラスで出来た砂時計がある。あいつがこの前くれたんだっけ・・・。

アイツ。夏のこと。

 夏は私の前の席にいる。顔は普通かな?性格はいい。いつもあくびをして、授業なんて暇そうだ。そのくせ、テストの点は私よりいい・・。そんなところが、私は苦手だった・・・はず。

なのに、好きになってしまった。

いつの間にか、アイツは心に居座っていた。

 砂時計をひっくり返して、時間を進める。ゆっくりと。アイツはいつもせわしなくて、よく笑って、よく動いた。なのに、どうしてゆっくり動く砂時計なんか土産にくれたのか・・。

夕日に砂時計をすかしてみせる。きらきらした砂は透ける。砂はすけるけど・・


夏の心は見透かせない。


ふうっと私はため息をついた。アイツがあたしを抱きしめてくれたのは何でだったんだろう?初めて感じる男の子の体温とか息使いにドキドキしちゃった・・。あの時、助けてくれてありがとうっていえなかった。

夏のバカ。カッコいかった。

あたしは砂時計をまた見つめた。



作品名:砂時計1 作家名:Spica