努力すれば何でも叶う世界
そんな世界があれば努力家は泣いて喜ぶだろうか。
才能があるものは廃れ、そして努力家の下克上となるのだろうか。
そもそもそんな世界が存在して良いのだろうか。
私個人としてはむしろ喜ぶべき世界だ。
なにせ 努力 したものが最終的に結果として返ってくるのだから。
1 努力の見返り
この世界は努力すれば最終的に結果として返ってくる世界。
故に学校、会社、スポーツ。みんなそれぞれ努力している。努力すればするほど結果という形で返ってくる。この世界の人間はそれを自然と受け止めている。
才能があるものも等しく努力し、有名なスポーツ選手も第六感が働いて結果を出したということもある。だがそれもこの世界ではその第六感も努力して手に入れるものなのだ。
ここまででそこまで普通の世界としては違うが、どちらかというと良い方の世界の違いだ。
だが君たちの世界では努力をいくらしても不幸な病気、怪我などで何も報われないことも少なくは無いだろう?他のケースでは、子供の時の自分の目の前でいくらもがいても大の男には歯向かえず、親が殺されてしまったり。
流石にこれは極稀にしか無いケースだ。だがこの世界でも親が殺されてしまったり、大切な友人が通り魔殺人の被害者になったりすることもある。
あぁ、丁度良いなこの通り魔殺人を例にしてこの世界をもう少し説明してやろう。そしてここが大切なところだ。こういった通り魔殺人の犯人も警察に捕まる。が、この犯人は努力して事件を起こしたのだ。その努力が認められる世界では、二度と事件を起こさないように厳重注意、拷問、して釈放なのだ。この世界で努力したものが極刑になるなど考えられない事態なのだ。
おっと、少し話がずれたな。戻そう。他の考え方をしてみれば、その通り魔殺人者も努力して、人を殺すための刃物を手に入れたり、人を殺す際の刃の向け方、人間の急所を努力して人体を刺す練習をしたのであろう。その結果がこういった通り魔殺人事件という結果なのだ。
そしてまた他の角度からこの通り魔殺人事件を見てみると、この事件の被害者の子供。これをA君としよう。このA君は親の敵をとりたいはずだ。親の敵をとるためにその殺人者を努力して追い詰め、殺す。この世界では一応犯罪だがそれとて厳重注意、拷問を一通りして釈放。そして親の敵を取った。という努力はA君の親が生き返る。という結果で返ってくる。
肉体がもう葬儀場で焼かれていたとしても敵を取った瞬間にA君の目の前に親がどこからともなく現れる。
こういう世界なのだ。
君はこういった努力すれば何でも叶うという世界を自然と受け止められるかな?
繰り返し言うようだが私はこの世界が気に入っている。何せ努力すれば何でも叶うのだから。
作品名:努力すれば何でも叶う世界 作家名:アスカ