冷たい炎
奴隷として扱われている俺は孤独。
家族なんていない。
クリスマスだから、と少しだけ自由な時間をもらった。
畜生。
あいつらとなにが違うんだ。
同じ人間なのに。
クリスマスなんてなくなっちまえ。
背後から俺の奴隷仲間がきた。
何人もの人が奴隷として扱われているんだ。
「そろそろ、時間だ」
「…わかった」
短い言葉しか使わなかった。
でも内容はわかるからこれでいいんだ。
あいつらの集まるこの広場。
俺らを奴隷として扱うやつら。
燃やしてやるんだ。
仲間があの陰からから灯油をぶちまけながら走って行く。
俺がライターで自分もろとも燃えて広げる。
ただ、それだけだ。
こんな人生なら死んだ方がマシなんだ。
一応空に向けてじゃあな、と言ってみる。
当たり前に返事はない。
神は見ているのだろうか。
もしも見ているなら…
もしも聞いてくれるなら…
もしも願いが叶うなら…
生まれ変わったら普通に暮らしたいんだ。
ご飯を食べて、友達と遊んで、学校にいって…
少し涙がでた。
でもいいんだ。
そろそろ行こう。
じゃあな、狂ったこの世界。
広場が赤く、染まった。
その炎はまるで冷たい様で…