恋こがれ、
あなたのことが大好きです。
たったこれだけのことなのに言えないとこんなにつらい。
言ってしまったらあなたがきっと困ってしまうから。
言ってしまったらきっと私が傷つくから。
猫みたいに体を丸くして、声をあげないように枕に顔を押しあてる。
そして涙を流さずひたすらに泣いてみせる。
私のほうがあなたを大切にすることができる
私のほうがあなたを知っている
なんであいつなんですか
どうして自分じゃだめなんですか
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして――――――…
「どうしたの?」
綺麗なノックの音に続く小鳥のような愛らしい声。
「はやくしないと学校遅れるよ?」
いけない。心配している。
だが、あの人に気をかけてもらえると思うといくらでも心配させたくなる。
しかし私はあなたの笑顔が見たい。
枕から顔を離し、その声に答える。
「今行くよ、姉さん。」
絶対に報われることのない恋心を抱きながら。