小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

おそらくこのアパート内では一番の金持ちであろうという自覚はある。石戸は自分のネット通帳を眺めた。これだけあればほかのマンションとかに住むどころか、広大な敷地に一軒家も建てられるであろうに、…と古巣が嫌みをいってくる。古巣が経営するぼろアパートに住む意義は確かにない。
　だが、面倒くさいのだ。
　元々入居時は確かに貧乏だったのだから。それがいつの間にか株で倍々ゲームになり、彼の特技の予知能力はさえ渡る為にそれは止めどなく続いていく。
　お金を貸したりあげたりも二度三度ではない。しかしながらやっぱりめんどくさい。それに彼は外では通用しないだろう。
　家からでない大富豪など。