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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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哀川なずな・自傷

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哀しいということが一線を越えると、衰える。

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 このアパートでは女子住民はそれなりにいるが、その中で一番地味だった。こんなアパートに住んでいる住民の傾向として(それはこのアパートも同じく)、かつて体などを売って暮らしていた人が多い。しかし彼女はそういう時期はなかった。
 彼女は、与謝野晶子より不美人だという自信があった。
 彼女は年間でやっと部屋を出るのが20を越える。月2~3回家を出て2~3週間分のものを買って帰ってくる。たえずアフェリエイトで金を稼ぐも、子供の小遣いの延長のようなもの。食事と家賃と公共サービスのほか何も残らない。だからパソコンでコワリスをしている。ブロックが壊れるのをみるのが大好きだ。
 紅茶豆乳を飲みつつモニターを見つめる。
 いつしかモニターは頭の後ろまで拡張していた。
 そうして飛び回って、ふと急に脈絡もなく現実に引き戻される。
 そうして月に数度禁断症状が現れる。
 戸の外で声が一つ。
 「またか」
 ずかずかとマスターキーをさして大家の男が入ってくる。
 「止まれ」

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 三芳などの周辺住民に迷惑をかけてしまってはいけないというのに騒ぐのは彼女に何か精神疾患があるのだろうか、と思うも、まあいいか、というスタンスである。どうせここにいるのはほとんど落第者だ。