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フレンドボーイ42
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白城黒友・夢正誤現実誤正(複号同順)

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『一日がまた、馬鹿みたく明るく始まるのだから。バカみたいにならなきゃつまらないじゃないか。…あのアパートの住民たちとは明らかに一線を画している暮らしをしている…といっても、別に何か金がたんまりあるとかいうような下賤な話ではない。自分たちはただ望むがごとく夢を追いかけるだけの…そんな一般人だということだ。あっははは』
 
 書いた奴の名前をはっきりと言うことができる…白城黒彦だ。黒友の実の弟にして、夢を追いかけるが故に理想を重視し、そしてそれ故に兄黒友と喧嘩をした。いや、実際には喧嘩をしたというわけではない。殴りあいも口論もなかった。ただ、弟は父にも兄にも幻滅したのだろう。
 黒彦といえば、かつては水上さくらという彼女がいたのを思い出す。彼女は後にどうなったのかは誰も知らないし、今でもつきあっているのかもしれないが、彼の目的にミートする女とは思えなかった。彼女は後に酒におぼれ、そして家にこもって丁度アパート住民の哀川なずなの如く(彼女と違ってそれなりの美人だったが)暴れ回り手が着けられなくなっていた。
 彼はいつになったら気付くのだろうかと思案していた。現実の秘境というのはもはや海にしか存在していないといって過言ではないはずだ。海底ならまだ見つかっていない何かなど多数あるだろう。しかし、彼が思い描くのは下ではない。…上だった。

 宇宙人という存在はあるのは当然であろうがそれらとコンタクトをとるなど不可能であり、ましてや彼と宇宙人が完全に和解し得るかどうかというポイントも疑問である。
 まあ、そうして大学など通ったわけだから夢のためにちゃんとした道を歩んでいるのではあるが。
 黒友は前から薄々感じていたことをついに確信した。
 正しい道を知ろうとして踏み外す。間違った道を目指すと踏み外さない。彼は宇宙開発に関わるようになっていった。やがて何らかの成果を上げるだろう。そして、夢が果たされなくても、幸せをつかむのだろう。