赤羽翼・水曜日
水曜日だったので、近くの高校の授業が午前で終了して午後に読む雑誌を書いにくるわけだが、ジャンプなんぞは月曜日に買うべきではないのだろうか、と言う疑問を浮かべるものの、客は客なので特になにもいわない。しかし水曜ならサンデーかマガジンだろうと思うのだが。そのあとは何人かのニートがエロ本を買っていき、子供がポケモンカードを購入し、そして店長のシフト終了かと思われた頃、やってきた客は、アパートの住人の藍染だった。
「…仕事は?」
「今日は早く片づいた」
「…でも、ただいま5時だぞ?」
「あんたなんかには関係ないだろ」
「…」
藍染はビールとカルピスソーダ(カルピスという重い飲み物に二酸化炭素をぶち込むその発想が理解できないと首を傾げる赤羽ににらみをきかせてきた)を買ってでていく。
「あれ、白城」
「赤羽さんじゃないですか。もう終わるんでしょう?」
「まあ、ね。ところでいまさっき藍染が来たんだけど」
「…?どこに行ってたんでしょうね」
「は?仕事じゃないのか?」
「いや、あいつ解雇されたはずなんだけどな」
「…」
確かに関わるのはまずそうだ。
「いい人だからアパートから去ってほしくないな」
そういう白城の口には真実は感じ取れなかった。
「社交辞令かよ」
「でも実際社交辞令しか言えませんよね…じゃあおまえ何かできるのか、と言う話になりますから」