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みそっかす
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novelistID. 19254
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人魚姫の愛

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人魚姫の愛


声を失った人魚姫 王子に気持ちは伝わらない
愛を囁くことも 悲しみを伝えることも
声を失った人魚姫 王子に気持ちを伝えたい
感情を 心情を 王子と共有したかった

私に声はありません 言葉もどうにも使えません
それでも貴方の世界を どうにか共有したかった

私に時間はありません けれど殺すなんてできません
だから泡になりましょう 貴方と永久に居るために

泡になった人魚姫
空中にとけ、王子の肺に吸われた
そして王子の身体に行き渡り
姫は王子の一部になった

両脚を得た人魚姫 だけど傍にはいられない
王子の隣にいるのは きれいな優しいお姫様
両脚を得た人魚姫 だけど傍にいたかった
お姫様を見て笑う 王子の顔を見たかった

私は足を得ました けれど駆け寄ることはできません
それでも貴方の世界に どうにか入っていたかった

私には愛がある だから殺すなんてできません
けれど消えたくはありません 貴方と永久に居たかった

泡になった人魚姫
空中にとけ、王子の肺に吸われた
そして王子の身体に行き渡り
姫は王子の全部になった

貴方に出会わなければ 平穏に暮らしていたでしょう
けれど貴方に出会ったから 私の世界は色づいた

愛を、世界を、あなたを知らなければ、魚と何がかわりましょうか!

泡になった人魚姫
空中にとけ、王子の肺に吸われた
そして王子の身体に行き渡り
姫は王子の世界になった

人魚姫が消えても 王子は幸せに暮らした
目に映る世界はどこまでも 鮮やかに色づいてた
作品名:人魚姫の愛 作家名:みそっかす