「て、つなご?」
小さい私の手だけど 大きなあなたの手は握れるわ
氷みたいに冷たいけど 寒さ分かち合えるから
「て、つなご?」
風が吹きぬける並木道 鼻が痛いなきっと真っ赤ね
隣を歩くあなたも マフラーに顔うずめ
落ち葉の道は綺麗ね 足音もにぎやかで
蹴り上げれば舞い上がる あったかい色の葉っぱ
手ぶくろは置いてきた ミトンのお気に入りだけど
いつまでたっても何も言わない あなただから
小さい私の手だけど 大きなあなたの手は握れるわ
氷みたいに冷たいけど 寒さ分かち合えるから
「て、つなご?」
街燈がつき始め 空にはもう一番星
黙りこくった二人 何かしゃべってよ
冬の道は静かね 道ゆく人もちぢこまる
私の口はかじかんで うまく言葉がでない
頬が熱くなって来た 宙ぶらりんの手が震える
いつまでたっても握れない 私ばかみたい
小さい私の手だから 大きなあなたの手には役不足?
氷みたいに冷たいから 寒いだけかもしれないけど
「て、つなご?」
マフラー越しの くぐもった声
「先に言いたかった」なんて むくれても遅いのよ
小さい私の手だけど 大きなあなたの手は握れるわ
氷みたいに冷たいけど 寒さ分かち合えるから
「て、つなご」