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残酷な声だれだ

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「そんなに純粋じゃ、ないよ」
赤い頬をして云われても、説得力がない。と思ったがさすがに病人にひどい言葉をかけるほど悪人でもないので、黙っていた。
「お兄ちゃんは、あたしと分かれた頃のまんまの感覚でいるけど、桐はわかってるでしょ?」
そりゃあ、まあ、なんとなく。だってお前漣の妹だし。そこまで純粋じゃねえだろう。

「お兄ちゃんがどんな中学時代送ってたか、だいたいわかるよ」

タバコは、さすがになかった。バイクは乗り回してた。喧嘩して相手ボコボコにしたこともある。担任の車のボンネットべこべこにしたのもたしか中学のときだ。あ、思い出すと罪悪感がわいてくるな。

「で、あたしも多分そんなに違わないよ」

「は?」

「あたし、結構喧嘩強いよ」




作品名:残酷な声だれだ 作家名:おねずみ