sunrise 003
灯台
指がひどく冷えるのです
ほら
ぽろりと抜け落ちそうに
喉がひどく渇くのです
嗚呼
嘘かもしれない
損な噺ではなかった
創作ですら
でも
其れが一体何だと云うの
こもれびに隠れる
君が好きだった
悪戯の後の
その微笑みも
その先ばかりを
気にしすぎた
ごめんね
でも泣いちゃうよ
こもれびの君を
灯台で照らす
それくらいにしか
愛せなかった
その先ばかりを
気にしすぎて
ごめんね
泣いたりはしないけど
嗚呼
密やかに叫んでしまった
作品名:sunrise 003 作家名:川口暁