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sunrise 003

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大好きな青年がいたんだ


徳のある少年がいたんだ
私はぺこり頭下げた

徳のある青年がいたんだ
私はにこり挨拶を交す


毒のある少女がいたんだ
彼女はぺこり頭下げる

毒のある女の子が
にこり挨拶を僕に言った


大きくなってからなんて
言われたって仕方ないし

どんなに会いたかったかなんて
言われなくてもわかってる


毒のある少女の私は
上手く挨拶が出来ない

毒のある女になった私は
にこりと見栄をはる

徳のある少年だった君は
にこりと挨拶を返し

徳のある青年の君はやっぱり笑顔だった



どんなに愛してたかなんて
言ったってつまらないし

どんなに寂しかったかどうかなんて
上手く言い表せるもんじゃない

どんなに会いたかったかなんて
言われても困るんだ


それならばそれならば
何度でも笑ってておくれ

私が泣き出しそうなくらい
馬鹿みたいに笑っててくれ

どんなに幸せなのかって
何度も見せてくれ

僕が走って行けるように
僕が走って行けるように




作品名:sunrise 003 作家名:川口暁