sunrise 003
夢から覚めに
バレエシューズ握りしめた
少女がうちにやって来た
多分夢から覚めたから
また夜がくるその前に
僕に預けにやってきた
夢だけ見るには愛しすぎた
彼女は夢を愛しすぎた
彼女はきちんと向き合って
夢から覚めにやってきた
夢から覚めにやってきた
僕は何にも言わないで
彼女の瞳じっと見つめる
夢から覚めにやってきた
彼女の瞳澄んだ青色
それでも僕は何にも言えない
もう少し
もう少しだけ
夢見ていてもいいのだと
言い切る権利も責任も
何にも持っていないのだ
作品名:sunrise 003 作家名:川口暁