sunrise 003
魚の皮
夕方5時20分ぴたり
カラスが泣いた
川に流されてしまったんだ
私の魂ゆらゆら逃げてく
トイレに行きたいけどお腹も空いた
振り返ってみたけど誰もいなかった
魚を上手に食べる人
とても好きだった
好きだったらしい
午後6時30分やっと判明
消火器があれば
消せるさ全部ケセラセラ
川から水をひけばいい
かき消せみんなケセラセラ
朝方5時20分ぴたり
鶏が鳴いた
川が分かれてしまったから
私の魂どちらに行ったの
メイクも落としたいけどテレビも見たい
振り返ってみたけど何もなかった
右頬にえくぼのある人
とても好きだった
好きだったんだ
午後6時30分やっと判明
消火器があれば
消せるさ全部ケセラセラ
川から水をひけばいい
かき消せみんなケセラセラ
消して消してよ、魚の皮まで
だって
時は立つのだから
消えるさ全部ケセラセラ
僕から君を消せばいい
お願いみんなケセラセラ
作品名:sunrise 003 作家名:川口暁