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アレキザンダー・ジョン
アレキザンダー・ジョン
novelistID. 16123
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お腹が、痛い (10)

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っくしょう。東京に着てからっつーものろくな事がない。
沙耶は風邪引くわ俺はマッポにパクられかけるわ、まったく、ろくな事がない。
特にキツかったのが、一昨日の晩だった。

ぶワくしょい!
盛大に、くしゃみをした沙耶。
あの日は、寒かった。東京より石川のほうが寒いハズなんだが。
「やっぱ一人居ないとズイブン寒いね。」
「つーか今は暖房使えないからな。その差だろ。」
金が、無かった。
「暖房の前に家だろ家。」
沙耶の言うとおりだった。雨露や強風を防ぐための家が、そもそも無かったのだ。
ホテルに泊まる金もない。
漫喫に泊まることも考えたが、正直二人で一晩3000円というのは、後のことを考えるとキツかった。
5239円。あの日のオレらの全財産。
実は、一つだけ考えがあった。
沙耶に言えば止めただろうか。きっと、止めただろう。ま、今となっては結果オーライだが。
考えとは、何か。答えは、<帰宅する人を襲ってぶっ倒し、家と家の鍵と金を盗っちまおう。>という無茶苦茶な計画だった。