夕焼けの街 東京
では、果たして。
君のその変化を喜ぶ人はいるのか。君はあの外灯もろくにないような街で、白球が見えなくなるまで必死で追いかけていた。そんな君を人々は愛していた。
けれど今君は不自然なオード・トワレのにおいもさも自分の体臭のようにふりまき、女の細い腰を何のためらいもなく抱いて自分の側に寄せることをする。
君のその変化は間違いではない。進化でもない。では退化なのか。
あの街を出る頃君が持っていたきらきらした思いはどこへいってしまったのだろう?
知っているか。この街は眠らないのにカラスがゴミをあさる朝が来る。
非常に奇妙な街此処東京。