かわいいね、BAPY
口の中で三度つぶやき、自分より高い位置にある淡い髪を持った頭を抱きしめた。
何も知らないふりが出来るお前が好きだ。
涙が出るくらい。
俺が昨日何をしてたかしってるんだろう?
「お前は何も責めないね」
抱きしめた人形のようなお前は笑って云った。
「先輩を責めることなんてできません」
かわいいかわいいかわいい。
三度つぶやいてみた。
世界は変わらなかった。
大して秀でた容姿をしているわけではないけれど、聡いお前がかわいくて仕方がない。
「お前はかわいいよ」
このまま握りつぶしてしまいたいくらい。
作品名:かわいいね、BAPY 作家名:おねずみ