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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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少女?椛?


 学校からの帰り道、未空は同じクラスの月夜霊尊と一緒に歩いていた。
 未空と尊は仲のいい友達なのだが、二人は学校では一緒にいることが少なく二人が友達であることを知る者はあまりいない。
 二人で歩いている時も会話は特にない。本当に友達なのか疑ってしまいそうになるが、二人の関係はこうやって成り立っていた。
 尊が前方を指差した。そこにいたのは道路の上でうずくまっている小さな女の子だった。そして、少女は千早と呼ばれる貫頭衣を着て、下には切袴と呼ばれる短めの袴を紅色に染めたものを穿いていた。――巫女装束である
「小さい子供だな。どうしたんだろうか?」
 尊のしゃべり方は少し男口調なところがある。
 二人が少女に近づくと、少女は肩をヒクヒクと揺らして泣いていた。少女の見た目は幼く、だいたい八歳くらいだろうか。
「どうしたんだ、迷子か?」
 尊が声をかけたが少女は何も言わずにただ身体を震わせながら泣いていた。
 少し困った表情をする尊と、無表情で何をするでもなくただ立っているだけの未空。
「泣いていては何もわからない。まずは立って話をしよう」
 少女は尊に言われるまま立ち上がりはしたが、その手は未だ目元に押さえつけられ、肩がヒクヒクと動いている。
「あ、あのね。……お兄ちゃんを探してたの……それで……見つからなくて……迷子になっちゃって」
 兄とはぐれて迷子になってしまった小さい女の子。――よくありそうな話だ。だが、未空の一言がそれを変えた。
「この子、人間じゃないかもしれない」
 尊が眉を潜め未空を見るが、尊はすぐに少女に視線を戻す。不思議な発言をした未空よりも人間でないと言われた少女の方が気になるのだ。
 少女は依然泣き止むことなく、そこに人間でないというレッテルを未空に貼られてしまった。普通は泣いている少女に『人間じゃない』なんて言わないし、そもそも人間ではないとはどういうことなのか? 幽霊か何かとでも未空は言いたいのか? 非科学的だ。
 もし、この少女が幽霊だと言うならば、よく話で聞くような触ろうとしても手が身体をすり抜けたりするのだろうか? いや、そんなことが起こるわけがない。
 尊は泣いている少女を慰めようとして身体に触れようとしたのだが、その時、驚くべき現象が起きてしまった。尊の手が少女の肩をすり抜けたのだ。